【問1】当社は、不動産賃貸業を営む会社ですが、
店舗を平成24年11月1日から平成26年10月31日まで
月額 100,000円、消費税 5,000円 (5%) という契約で貸しています。
平成26年4月1日(施行日)から消費税の税率が8%になりますが、
施行日以後も契約期間の10月31日までは5%の税率になるのでしょうか。
なお、「賃料が経済事情の変動、公租公課の増額などにより不相当と
なったときには、協議のうえ、賃料を改定することができる。」
という契約になっています。
【答】この契約の場合、平成26年4月1日から 8%となります。
【解説】原則 : 平成26年4月1日から・・・8%
例外 : 経過措置が適用される契約内容の場合・・・5%
施行日の前日(平成26年3月31日)までに締結した契約に基づき
行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、
施行日以後に行われるものは、経過措置が適用される場合を除き、
当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について
新消費税法が適用されることとなります(経過措置通達2)。
資産の貸付けにおける経過措置(改正法附則第5条第4項)は、
指定日の前日(平成25年9月30日)までに締結した契約に基づき
施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている
場合において、
次の①と②または①と③の要件に該当する場合に適用されます。
ただし、指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた
場合、変更後の貸付けについては、この経過措置は適用されません。
①貸付期間及び貸付期間中の対価の額が定められていること
②貸主が事情の変更その他の理由により対価の額の変更を求める
ことができる定めがないこと
③契約期間中に解約の申し入れができる定めがないこと
並びに貸付の対価の額の合計額がその資産の取得に要した費用の額の
90%以上という契約であること
不動産賃貸では、経過措置の要件(一般的には①と②の要件)
に該当すれば旧税率となりますが、
②で変更を求めることができる定めがあると、経過措置の適用はなく、
契約がいつであるかに関わりなく
原則どおり平成26年4月1日から 8%になります。
自動継続条項があり、指定日の前日(平成25年9月30日)までに契約し、
施行日以後も継続して貸付けする場合でも同様です。
なお、上記①の「対価の額が定められている」とは、契約で
契約期間中の対価の総額が具体的な金額により定められている場合
又は総額が計算できる具体的な方法が定められている場合をいいます。
したがって、
・契約期間中の賃貸料の総額を定めているもの
・賃貸料の年額、月額等を、「年(月)額○○円」や
「○台貸付け、1台当たり月額○○円とする。」と定めており、
これに契約期間の年数、月数等を乗じることにより、
契約期間中の賃貸料の総額を計算できるもの
などが該当します。
建物の賃貸料を、例えば「その年の固定資産税の○倍とする。」
と定めているものなどでは該当しません。
また、②の「対価の額の変更を求めることができる旨の定め」で、
「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」と定めている場合では、「事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定め」に該当しないものとして取り扱われます(経過措置通達17)のでご注意下さい。
※平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される
消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A ( 問1、35、37、39、42 )
平成25年4月国税庁消費税室
※上記の問は一般的な場合を想定しています。Q&Aでご確認下さい。
【問2】施行日以後の税率が原則の8%であるとして
4月分(4/1~30)を3月末までに支払うという契約では、
平成26年4月分の税率は 5% と 8% どちらになるのでしょうか。
【答】平成26年4月分から8%
平成26年3月分までは5%
【解説】平成26年4月分の賃貸料は、施行日以後である平成26年4月分の
資産の貸付けの対価として受領するものであるため、
4月末日における税率(8%)が適用され、
平成26年3月分の賃貸料は、施行日前である平成26年3月分の
資産の貸付けの対価として受領するものであるため、
支払期日を4月として いる場合であっても、3月末日における税率(5%)が適用されます。
※消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A ( 問 16 )
平成26年1月国税庁消費税室
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/201304.htm
2014-01-27